テキストサイズ

キラキラ

第31章 イチオクノ愛


なんでも食うよ!


心で返事をして尻尾をふってたら、にのがソーセージをもってきた。


「……なんかのときに、酒のつまみにって買ったやつがあった。ほら。食う?」


食う!!


俺がうんうんってうなずいたら、にのは嬉しそうに笑って俺の傍にしゃがんだ。
にのに面倒みてもらうのが、なんだかくすぐったい。
いつも、俺がにののお腹の心配してるのにね。


モグモグ食べ始めた俺をみて、にのは微笑み、おもむろにスマホをいじりだした。


「……あ、もしもし。二宮です。いつもの」



……デリバリーか。
つくづく、自炊をしないやつだな。

俺が人の姿ならば、今すぐチャーハンくらい作ってやるのに。

ソーセージを咀嚼しながら、にのを見つめていたら、にのは持ってきていた缶ビールを開け、ひと口クピリと飲んで。


「…うまいか」


よしよしと体を撫でてくれた。


俺と一緒にいるときにしか見せない、下手すりゃ俺ですらあまり見ることのない、優しい顔。

天の邪鬼だから、俺の前では、基本小悪魔だもんなぁ。

エッチのときだけ、素直だけど。
あ、エッチのあとの方が素直か。

まーくんって、ぎゅって抱きついてくる仕草なんか国宝級に可愛いしなっ。


「…すっげーデレた顔して、ソーセージ食うんだな。おまえ」


にのは、ははっと笑い声をたてて。またクピリとビールを飲んだ。


……デレた犬の顔ってどんなんだよ?


心で思いながら、ほわほわと頬が赤くなってきたにのを見つめた。

基本、リーダーと一緒で、あまりこいつはアルコールには強くないはず。


俺は、クンクン鼻をならしてみせた。



飲みすぎちゃダメだよ?にの。


「………おかわりか?」


ちげーよ!!


突っ込んだ瞬間、テーブルにおかれたにののスマホが鳴り出した。


画面をみたにのが、微笑みを浮かべた。


……なんだ、その顔。
誰からだよ。


ちょっと面白くない気持ちで、そのままじっと、成り行きを見つめる。


「んー、もう家……え?今から?…無理。もう飲んじゃったもん」


クスクスと、笑って。


「また今度ね」


舌ったらずに、甘えるように応答してるにの。


なんだおい。
…誰だよ!
そんな顔させんのは!


モヤモヤしてたら、


「じゃーね、相葉さん」


……俺か!!!

ストーリーメニュー

TOPTOPへ