キラキラ
第40章 星空に届け
それが、まるで、何故覚えていないのだ、と、逆に責められてるみたいで………。
俺は言葉につまる。
「……………」
え?なにこれ。
これって俺が悪い感じみたいになってるけど?
困惑してる俺から、すっと目を逸らし、かずは、またサラサラとスケッチブックに鉛筆をすべらせた。
左利きなんだな、とぼんやり思った。
『忘れた?』
なにをだよ!
まるで浮気を責められてる彼氏みたいだ。
俺は、ヤケクソで、
「ああ。綺麗さっぱり」
と吐き捨てた。
忘れるも何も、初対面だと感じるくらいなのに。
なんでこんなに俺が戸惑わなきゃなんねぇの。
「……………」
すると、かずはいっそう悲しい瞳になり、小さく首を振った。
『じゃあいい』
一言だけ書いて、立ち上がる。
え…………?
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える