
キラキラ
第29章 バースト7
Sho
同じゼミの女子らに買い物につきあわされ、一杯だけ、とお茶にもつきあってやってから、やっと帰宅した。
玄関の鍵をあけながら、時計をみたら7時をまわっている。
「あちゃ……ちょっと遅くなったな」
大野家の胃袋を握ってる俺は、みんなの夕飯を作るために、普段は遅くまで外出することを避けてる。
大学生になったんだし、もっと遊んできてかまわない、と、智兄もかずも言ってくれてるのだが、
別に遊ぶ理由もないし、なんなら暇があるなら潤と出かけた方が楽しいに決まってるから、講義が終わったら、ほぼ直帰。
夕方にはキッチンに立ってることがほとんどだった。
今日は、たまたま、自分の彼氏のプレゼントを選ぶのに、俺の体型で試したいから、ついてきてくれという、陽気な同級生に巻き込まれただけ。
面倒だったが、押しに負けた俺だ。
おかけでくたくただ。
「……パスタでいっか」
しばらく冷蔵庫を物色したあげく、冷凍庫から、前に作っていたミートソースを取り出して、解凍。
パスタを茹でるのに、大きな鍋をヨイコラショと、棚から出していたら、玄関の扉がガチャンといった気配がした。
……かずかな?
ところが、いつもは荷物を置きに一回自室に入ってから、リビングにやってくるかずが、いやに、どたばたと直接こちらに走ってくる。
あれ?……と思っていると同時に、バターンとリビングの扉を派手な音をたてて飛び込んできたのは。
「翔さん……翔さん!!」
「翔さん大変!」
泣きそうな顔のかずと、焦りまくった相葉くんだった。
「ごめんなさい翔さん……!俺が潤にきついこと言ったから……!」
「バカ、違うよ相葉くん!これはきっと関係ない……!」
「でも……でも……!」
「違うって!」
「おい、話がみえねーぞ!!落ち着け二人とも!」
焦りぎみにまくしたてる二人を怒鳴り付けた。
相葉くんの言葉に過剰反応してしまう。
今、潤って言ったか……?
