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キラキラ

第27章 かげろう ~バースト6~


kazu



やっちゃった…。
腰がいたくて動けないだなんて。

なんだか、冷静に考えたら猛烈に恥ずかしい。


だけど、マジで痛いんだもん…こんなん初めてだ。
してる最中は興奮してたから分からなかったのかな。
抜かれたとたんに、どーん、と痛みが腰にきたんだ。


潤くんがチカラを使って迎えにきてくれたけど。

誰の顔もみれずに、俺はひたすらうつむいてた。
でも、帰り際、相葉くんが、またねって優しく言ってくれたから、小さくまたねと返して。

またひとつ、二人で登った恋人としての階段。
とってもとっても嬉しかったよ。


相葉くんと目をあわせてから……繋がれた潤くんの大きな手をぎゅっと握った。


そして、ひとつ、瞬きをしたら。


もう大野家の扉の前に立っていた。



「相変わらずすごいなー…潤くんの能力…」



思わず感嘆のため息をついたら、潤くんは、褒めてもなにも出ないよ、と笑う。


「…ありがとね」


改めて、潤くんを見上げる。
明らかに、部屋でくつろいでいた、というラフな格好。
ほんとに突然呼び出されたんだな、と申し訳なくなった。


「いや、別に。こんなことくらいなんでもない。…それより、体、大丈夫?雅紀が無茶したんじゃないの?」

「え……」

「無茶苦茶するなって。あいつ怒っとこうか?」


潤くんが、心配な眼差しで俺をみるから、俺は慌てて首を振った。


「ううん…違う」


違うよ…むしろ。


「相葉くんは、優しかったよ…ずっと」

「でも、痛くて動けなくなるって…相当なことされたんだろ」


彼の声音に棘がある。
親友の無茶は、ちゃんと諭しとかなければ、という責任感からだろう。

……でも、違うんだよ。



「…あの、……相葉くん…大きくて」

「……」

「俺の体の許容範囲をこえてて…」

「……」

「……だから」

「わかった、もういい」


俺のたどたどしい説明に、潤くんは、困ったように赤くなり、ひらひら手を振って制した。

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