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キラキラ

第27章 かげろう ~バースト6~


Kazu



初めて相葉くんとキスして、帰った夜。

ふわふわした気持ちを隠しながら、どれだけ楽しかったか、智さんと翔さんに報告していたら、鋭い翔さんは、意味ありげな笑みで「良かったな」と、言ってくれた。

智さんは、いつものあのふんわりした顔で、「いいなぁ。今度はみんなで行きたいね」と、言っていた。


…智さんはともかく、翔さんにはなんかバレてる気がする。


俺は、自室で、宿題をしてる手をとめ、ぼんやりと空をみつめた。


相葉くんのことは、大好きだけど、キスしたら、なんだか前よりもっと好きになった気がする。
好きという感情に、相手を求める気持ちが加わったというか。

……求めて欲しい気持ち、というか。

実際、キスされたときも、相葉くんに至近距離で見つめられ、なんだかすごく体が熱くなっていた。

唇をあわせて。抱き締められて。
その先も望んでしまいそうになった自分がいた。

冷静に考えたら、あんな場所でコトに及べるわけなどないのだけど、身も蓋もない言い方をしちゃえば、「このままメチャクチャにしてほしい」と、思ったのも事実。

それだけ相葉くんのことが好きだから、なのだろうな。

優しい相葉くんは、きっとこの先の行為はためらうだろう。
俺の負担を考えちゃう人だもの。
そもそも、男同士のやり方を知ってるかどうかも謎だけど、きっと知ったら、戸惑うはず。

智さんに抱いてもらうのをやめて、半年以上たつから、俺の体も受け入れるのは難しくなってるはずだし、俺自身、開かれる衝撃に普通でいられる自信はない。


でも……


相葉くんに組敷かれたら…俺どうなるだろう。

あの低音でささやかれて、あの手のひらで触れられたら……

そんな自分を想像して、体がカッと熱くなりかけた瞬間、コンコン、と自室のドアが鳴らされた。

「!」

あわてて、自分の気持ちに蓋をする。

上ずりそうな声音をおさえて。

「…はい」

と、返事をした。


振り返れば、カチャリと開けられたドアのむこうから、智さんがこちらをのぞきこんでる。


「かず、ちょっと、いい?」

「あ…うん」


穏やかな笑みとともに、智さんが部屋に入ってきた。



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