
キラキラ
第27章 かげろう ~バースト6~
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地獄のような中間が終わり、来週からのテスト返しという現実から、目を背けるためにあるような土曜日。
晴れ渡った空の下。
俺とかずは、件のレジャーランドにいた。
カップルや家族連れでにぎわう園内は、誰もがどこか浮き足立っていて。
歩いてその場の雰囲気を味わうだけでも、なんだかすごく楽しい。
今日のかずは、ダスティーブルーのざっくりした春ニットに、細身の黒スキニーをあわせた超俺好みな格好をしてる。
待ち合わせ場所に、現れたかずの姿を見て、俺は悶絶しそうになった。
「可愛い…かず!」
「…なにいってんの」
思わず出た言葉に、はにかんだ笑顔が可愛くて。
意味不明にでてくる手汗を、さっきからジーンズで何度もふいてたりする俺だ。
かずは、嬉しそうに、園内の細やかな細工が施してある壁画なんかをみては、ほら、みて!と、無邪気に笑っている。
「すごいね。凝った造りしてるね」
「ねー…」
かずのこんな生き生きした顔を見れるなら、あの学祭のイベントに出たのも無駄じゃなかったな、と思える。
…偉いぞ、俺!
嬉しすぎて、ふわふわとした足どりになってゆくのをなんとか自制しながら、俺は並んで歩くかずに聞いた。
「…かずは、来るの初めて?」
「うん。興味はあったけど来る機会なかったもん。相葉くんは?」
「うーん…小さい頃に、家族で来た写真が残ってるけど、全然覚えてないや」
遠い昔の記憶を呼び起こしても、覚えのない風景ばかりに、へへへ、と頭をかいた。
「じゃあ、二人とも初めてみたいなもんだよね。何乗る? 」
かずが、ニコッと俺を見上げる。
その笑顔がキラキラ眩しくて。
「うしっ!どーせなら全制覇目指そっか!」
園内案内図を広げ、俺は張り切って園内をグルリと見渡した。
