テキストサイズ

キラキラ

第26章 10カゾエテ  ~Count 10~


「ちょっ……離せっ!」


渾身の力を込めるも、高一と高三の体のつくりはこうも違うのか。

がっちりつかまれた手首は、びくともしない。


「んな、逃げんなよ。ちょーどいいや。暇だったし、俺と遊ぼうぜ」


言われて談話室に押し戻された。


「やっ…!」


慌てて体を踏ん張ったが、突き飛ばされてパタンと扉をしめられる。

そのままぐいぐい壁際までおいつめられ、壁におしつけられた。
至近距離でじっと顔を見つめられ、恐怖で声も上がらない。


「へぇ……やっぱりきれいな顔してんな」


呟いて、ニヤリと笑われる。


「ひっ……人呼ぶぞっ」

「呼べば?」


涼しい顔をして、言い返される。


「だけどさ、こんなことされてるとこ見られて、恥ずかしくない?」


言って、顔が近づいてきたと思ったら。


「っ!」


唇をふさがれた。


マンガやテレビでしか見たことのないこの行為が、どんな意味をもつかなんて、さすがの俺も知ってる。

柔らかくあたる感触を拒否しようと、口を引き結んで、顔を背けようとしたら、片手で顎をつかまれ、無理矢理口を開かされた。

にゅるっとなにかが入ってきて、吐きそうになる。


「……っ……んむ…!」


気持ち悪くて気持ち悪くて。
その大きな体を突き飛ばそうと暴れるのに、片足で壁にがっちり押し付けられて、それもできない。


片方の手が俺の両手を頭上でひとまとめにし、もう片方の手が俺の脇腹を撫で上げた。


「……っ」


思わず体が縮こまる。


二、三度撫であげられた手のひらは、Tシャツの隙間から素肌に触れるように入ってきて、そのまま強引にハーフパンツの隙間に突っ込まれた。


………やだっっ


気持ち悪くて体を捩りたいが、それもできない。
乱暴につかまれて、揉みしだかれて、……怖くて悔しくて涙がでてきた。


対照的に、相手はどんどん興奮してきたのか、鼻息を荒くさせながら、やべーとか呟いてる。

この舌を噛んでやろう、と本気で口元に力をこめかけた時。


「……なにしてんの?」


第三者の興味のなさげな声が、この場に投げかけられ、ようやく唇が離された。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ