
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
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ぼんやりと目を開けた。
「……大丈夫ですか。気分は?」
柔らかい声で問いかけてくれるこの声は、……ショウだ。
自分の置かれてる状況を認識したとたん、さっきまでの修羅場を怒涛のように思い出した。
ミヤは、昔から頑固で。
一度決めたことを覆すことをなかなかしないやつだ。
そんなミヤが、勝手に全てを決めてしまったことに、怒りを通り越し、悲しみにふくれあがった心はもう引き裂かれそうに痛くて。
わけのわからない彼の決意は、到底受け入れられないのに、聞き入れてもらえそうもないことが辛い。
ベッドに寝かされているのだろう。
視界に入るのは、プライベートなくつろいだ服に着替えて、心配そうな顔をして覗きこんでるショウとジュン。
「……なんで……」
……なんで、俺のそばにいるのがミヤじゃないんだろう?
「……ぅ……ぅっ……」
再びゆらゆらと視界が揺らいだ。
こめかみに向け、いくつもいくつも涙の筋をつくり枕を濡らす俺を、ショウがつらそうな顔をして、小さな布で拭き取ってくれる。
俺は両手で顔を覆った。
なんで……こうなるの。
俺たちは、ショウの誕生日を祝いに来ただけじゃん。
なのに、ミヤはさらわれるし、俺は捨てられるし……どうなってんだよ?
「姫。我々は、他人の恋路に口をはさむ趣味もないし、権利もない。まして、我々二人ともあなたに想いを寄せる立場だから、本来なら、姫が恋人と別れてフリーになってくださるのは、歓迎すべきことなんですが……」
戸惑うようなショウの声を、ぼんやりと聞く。
「こんな結末は、……あまり好きじゃないです」
「……」
ショウの言葉に、ジュンが「俺も」と言ったので、両手をはずし、首を二人にゆっくり向けた。
ジュンが、困ったように続けた。
「あなたとミヤさんが、恋仲なのは、初めて見た時から分かっていました。それを承知で、俺たちはあなたを好きになった。それはあなたが魅力的だったからです」
泣き顔は見たくありません……と、優しく髪を撫でられた。
いつもなら、やめろエロ王子、と突っぱねる気持ちが出てくるところだが、それをする元気もなく、黙ってそれを受け入れた。
「少し時間をおいて。もう一度話し合ってみてください」
ショウが言う。
結論は急がなくてもいいでしょう?
優しい言葉が染み渡った。
