
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
Satoko
身体中の血液が沸騰するかと思った。
突然、ミヤからバッサリ関係を切られようとしていることが信じられない。
捨てられるの?俺。
この場にいる王子たちに俺を託すって……なに?
ふざけんな!!
気がつけば、ミヤの胸ぐらをつかみあげていた。
「………そんなの聞けるわけないだろ。撤回しろよ」
「しません」
「ミヤ!!」
「できません」
ギリギリとミヤの胸ぐらをつかむ手に力がこめられていく。
苦しいのかミヤが、少し顔を歪めた。
見かねたジュンが、俺の腕に触れ、ミヤをつかむ手をはずさせようとしたが、
「俺に触んな!!」
と、思わず怒鳴ってしまう
。
ジュンは、面食らうような表情になって黙った。
「姫。落ち着いてください。ミヤさん、苦しそう……」
後ろからマサキが宥めるように声をかけてきたけど、カッとした俺は、また怒鳴った。
「うるせぇっ!お前が言うな!」
「姫」
ショウが後ろから俺をギュッと抱き締めた。
そして、耳元で低い声でゆっくりと言い聞かせてきた。
「言葉がすぎますよ……落ち着いてください」
瞬間、何かが弾けた。
さっきとは違う種類の涙がぼろぼろ落ちてきた。
安堵で流した涙ではなく。
悲しさと、訳のわからない怒り。
「……ぁ……なんでっ」
「姫」
「も……なんで……ミヤぁ……っ」
そのまま力なくミヤから手をはずしたところで、膝が崩れた。
パタパタ落ちる涙と、真っ白になった頭。
力の入らない体を支えることができず、ショウに体を預ける。
目の前では、ゴホゴホと咳き込んで、同じく倒れ込もうとしてるミヤを、ジュンが介抱していた。
「……サトコ様もミヤさんも、冷静に。ちょっと休みましょう」
ミヤの背中を擦り、顔色を確認しながら、ジュンが厳しい顔をした。
「ミヤさん、限界だ。ショウ、もう一度医者呼んで」
「わかった。マサキ、……姫をよろしく」
「うん」
まったく現実感がない。
いきなり別れをつきつけられて、納得できるわけない。
マサキの腕のなかで、真っ白な頭で、ひたすらしゃくりあげる俺。
再び気を失ってるミヤ。
「大丈夫……大丈夫ですよ。姫」
何が大丈夫なんだよっ?バカか!と、悪態をつきたいが、マサキの優しい声音と、背中を擦ってくれる温かさに、いつしか意識を沈めてしまっていた。
