
キラキラ
第23章 🌟🌟🌟
「……でも。もうおしまいにします」
「……なにを」
「あなたのいう通りだ。俺の身分じゃ、あの方につりあわない」
ジュン王子は黙った。
俺はぐらぐらする頭を、震えたくなる声を奮い立たせ、しっかりと彼を見つめた。
「……俺が一国の姫であるあの人を縛るわけにはいかない。……あなたか、ショウ王子に姫を託そうと思ってま…」
ガシャーン!!
俺の言葉に被さるようにガラスの割れる凄まじい音がして、ハッと視線をそちらに向けた。
ジュン王子も驚いたように入口を振り返る。
グラスと水差しだったであろう粉々になったガラスと水たまりの中央で、サトコ様が、蒼白な顔で立ちすくんでいた。
「……」
……聞こえたのだろう。
俺は覚悟を決めて、黙って俺から目をそらそうとしないサトコ様を、じっと見つめ返した。
動いたら危ない、とばかりに、後ろについてきていたショウ王子とマサキ王子が、サトコ様を制するが、サトコ様はそれを振り払うようにして、ガラスだらけの床を、ジャリジャリ踏みながら、ゆっくり近づいてきた。
そうして俺の枕元に立った、
誰も何も言わない。
王子たちは、ただならぬサトコ様の様子に、何かを感じたのか固唾を飲んで、事の成り行きをみつめている。
「……なんの話」
「……」
今だかつて聞いたこともない、サトコ様の低い声。
俺は一瞬目をつぶり、口を引き結んだ。
駄目だ。
しっかりしろ、俺。
決めたんだろう。
ふっと息をつき、肩肘をたてて、無理矢理に体をおこした。
傍らに座っていたジュン王子が、無言で俺の腕をつかんで引き上げ、その場に座るのを手助けしてくれた。
俺はゆっくりサトコ様に向き直る。
さっきまで俺を見て弾けるような明るい笑顔を見せていたその表情は、硬く強ばっていた。
「……聞いたままです。あなたの未来に、私は邪魔でしかないから」
「……はぁ?……おまえ何いってんの?」
「……サトコ様は、大の国の唯一の姫君。ゆくゆくは王家のために嫁がなきゃいけない日が必ずきます」
「俺……私は、結婚なんてしない」
「そうはいかないです。……そしてそうなったときに、お相手は、ここにいる王子たちなら、安心できると思って……」
「勝手に決めんなよ!」
サトコ様が怒鳴った。
「……なにを」
「あなたのいう通りだ。俺の身分じゃ、あの方につりあわない」
ジュン王子は黙った。
俺はぐらぐらする頭を、震えたくなる声を奮い立たせ、しっかりと彼を見つめた。
「……俺が一国の姫であるあの人を縛るわけにはいかない。……あなたか、ショウ王子に姫を託そうと思ってま…」
ガシャーン!!
俺の言葉に被さるようにガラスの割れる凄まじい音がして、ハッと視線をそちらに向けた。
ジュン王子も驚いたように入口を振り返る。
グラスと水差しだったであろう粉々になったガラスと水たまりの中央で、サトコ様が、蒼白な顔で立ちすくんでいた。
「……」
……聞こえたのだろう。
俺は覚悟を決めて、黙って俺から目をそらそうとしないサトコ様を、じっと見つめ返した。
動いたら危ない、とばかりに、後ろについてきていたショウ王子とマサキ王子が、サトコ様を制するが、サトコ様はそれを振り払うようにして、ガラスだらけの床を、ジャリジャリ踏みながら、ゆっくり近づいてきた。
そうして俺の枕元に立った、
誰も何も言わない。
王子たちは、ただならぬサトコ様の様子に、何かを感じたのか固唾を飲んで、事の成り行きをみつめている。
「……なんの話」
「……」
今だかつて聞いたこともない、サトコ様の低い声。
俺は一瞬目をつぶり、口を引き結んだ。
駄目だ。
しっかりしろ、俺。
決めたんだろう。
ふっと息をつき、肩肘をたてて、無理矢理に体をおこした。
傍らに座っていたジュン王子が、無言で俺の腕をつかんで引き上げ、その場に座るのを手助けしてくれた。
俺はゆっくりサトコ様に向き直る。
さっきまで俺を見て弾けるような明るい笑顔を見せていたその表情は、硬く強ばっていた。
「……聞いたままです。あなたの未来に、私は邪魔でしかないから」
「……はぁ?……おまえ何いってんの?」
「……サトコ様は、大の国の唯一の姫君。ゆくゆくは王家のために嫁がなきゃいけない日が必ずきます」
「俺……私は、結婚なんてしない」
「そうはいかないです。……そしてそうなったときに、お相手は、ここにいる王子たちなら、安心できると思って……」
「勝手に決めんなよ!」
サトコ様が怒鳴った。
