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キラキラ

第23章 🌟🌟🌟



もしも。
俺がくたばったとしても、あなたを愛してくれる人はいるよ。


ショウ王子、ジュン王子。


見てれば分かる。
あの二人は、サトシの地位が好きなんじゃなくて、サトシという人を好きなんだって。

どうしても大の国を出て嫁がないといけない状況になったら、あの二人のどちらかの国に行けばいい。
あの二人なら、たとえあなたが男だと分かっても、きっときちんと向き合ってくれる。
世継ぎを産めない体でも、きっと何か方法を考えてくれる。
そして王族の権限を駆使して、秘密を守ってくれるだろう。


俺にはできない。


何もできない。
傍であなたを愛することしかできない。

王族の……しかも唯一の姫君を、俺なんかが縛る訳にはいかないね。


……ああ
ジュン王子のいう通りだ。


身分の違いは残酷だ。
勝ち目は最初からなくて。


どう頑張っても。
心だけでは、未来に立ち向かえない。

本来、同じ土俵に立つことすら許されないんだ。

……俺は、サトシが男なのを知ってるのは自分だけだというのを理由にしてただけだ。

俺がこうなってしまったのも、描けない未来しかないことに、気づかぬふりをしてた罰なのかもしれない。


……潮時かな。


俺は浅く呼吸を繰り返した。
胸が苦しくて、仕方がない。
涙がおち、地面に次々に吸い込まれてゆく。


……サトシ。
あなたの幸せを願ってる。

あなたを……愛してる。



涙が止まらなかった。


空が見えない。
何も聞こえない。


…………俺は、忍び寄ってきた暗闇に意識をゆっくり委ねた。

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