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キラキラ

第23章 🌟🌟🌟

「そつない表情してても、目だけ異常に鋭いんだよ、あの人」

「だろー?」

分かる分かる、と頷きあってる。

……ショウちゃんとジュン、二人でわかりあってる。

なんなの?


「え……なんで?ミヤさんってそんな冷たい?」

きょとんと俺が尋ねたら、二人は揃って、そんなこともわかんねーの?というような顔をして、俺を気の毒そうに見た。

そうかなあ。

……だって。ミヤさん、俺にはいつでも優しいもん。
冷たくなんかないもん…。

うじうじした目で、二人を見返し、手に持ってるグラスの中身をあおった。

ジュンが、ま、しょーがねーか、とため息をついて、またナッツを口にほおりこんだ。
カリカリ噛みながら、鼻でふんと笑われる。

「……恋は盲目ってやつだな。おまえはミヤさん狙いだから分かんねーんだろーな」

ぶっ!!!

「げほっ……げほっ」  

「汚ぇな。出すな」

「なんっ……」

「あ?なに?」

「なん……でっ」

口元を覆いながら、ようやっと出した言葉に、ジュンが、悪い顔をした。

「分かるって。もろに顔にでてる」

「俺でも分かるよ」 

横からショウちゃんまで追い討ちをかけてきた。
柔らかな表情で、うんうん、と頷かれて、俺は頭が爆発しそうだ。

え……俺って、昔から分かりやすいとは言われてきたけど、そんなに分かりやすい??

ジュンが、そんな俺を見てクスクス笑った。

「…あんな魅力的な姫じゃなくて、ミヤの方がいいってのが笑えるけど。……まあ、頑張れ。俺らにしても、ライバルは一人でも少ない方がいいし」

「そうそう。まずは、あの二人を引き離さないことには、話にならない」

……あの二人?

再びきょとんとする俺に、ショウちゃんが苦笑いした。

「あらま……」

「分かってねーな、やっぱり」

ジュンまで、肩をすくめて、オーマイゴッドのポーズ。

……なんだよ?

「え??……なに?」

ジュンが、ニヤリと笑って、「分からなきゃいい」と、いうから、再びムッとした。

……なんたよ。もったいぶんなよ。

そのやりとりを見てたショウちゃんが、イタズラっぽそうな顔で教えてくれた。

「……わかんない?……サトコ様とミヤさん。できてるだろ。どうみても」

「……」
 
三拍くらいの沈黙ののち。

「ええええっ?!」

静かな屋敷に、俺の絶叫が響き渡ったのだった。



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