
キラキラ
第19章 バースト3
「……んっ……」
ぐっとシートに押さえつけられて、俺の頬が昌宏さんの大きな手のひらに包まれた。
そのまま顎を持ち上げられ、角度をかえた昌宏さんの唇が深く重なった。
甘い……甘いキス。
震える指で彼の胸のシャツをつかむ。
口をあけて、昌宏さんが絡めてくる舌を受け入れ、必死で応えた。
チュク……チュクとなる水音に煽られるように、昌宏さんの指が俺のシャツの裾から入ってくる。
熱い指が胸を掠めそうになり、俺は、首をふってキスから顔を背け抗議した。
「……んっ……待っ」
「待たない」
「……昌……宏さんって!」
「俺のお願い聞いてくれんだろ?」
俺に覆い被さる男前は、月明かりを背に、鮮やかに微笑んだ。
はあ……っと息を弾ませながら見上げるその顔は、雄々しくて。
全身で俺を求めているのが分かった。
……いいよ?
俺だって昌宏さんが好き。
大分お預けだもの。
彼を感じたい気持ちは俺も同じ……。
だけどさ。
「カーセックスは……やだ……」
「なに。なんで」
昌宏さんは、ウケるというように笑った。
「やることは一緒だろ…」
シャツの中の指がつーっと動き、尖りに触れる。
ぴくりと肩を揺らし、あがりそうな声を飲み込んだ。
「だって……外じゃん…」
「見えねえよ」
「狭いし」
「お前が俺の上に乗りゃいい」
「……」
「他には?」
「……………んぁっ」
尖りをつぶされ、思わず声があがった。
そのまま、熱い手のひらが俺の素肌をはいまわる。
「余計なこと考えんなよ」
「あっ…やだ」
耳をぺろりとなめあげられながら、すごい早さでシャツのボタンを全開にされる。
「恥ずかしいなら、目つぶれ」
快感だけ追いかけてろって、再び唇を塞がれた。
「……ん」
……そうだね。
今日はそれに、車にふわりとただよう甘い香りもスパイスになって。
ベッドの上ではないという、現実に酔いそう。
「あっ……昌宏さっ…」
「綺麗だ。智」
「深いっ……て…」
暗がりの中、夢中で繋がって愛し合った。
昌宏さんに突き上げられ続け、意識も飛ばしかけてた俺。
だから。
鞄の中のスマホがずっと着信のランプがついてることに、最後まで気がつくことが、できなかった。
