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キラキラ

第15章 1000回言って

不思議な数日だった。

同時に、二度と戻りたくない悪夢のような数日であった。


……………だけど。
 ほんの少しだけいいことがあった。



相葉さんが大事ということを再確認できたこと。

どこの世界でも相葉さんは、いいオトコだったこと。



愛してる、と百万回言ってもらったこと。




俺は、背中の温もりに心で伝える。


相葉さん。

ひねくれものの俺だけど、俺は、相葉さんが必要なんだ。

だから、ずっとそばにいさせて。

ずっとずっと愛してね……。




相葉さんのオトコらしい大きな手に、自分の少し丸い手を重ねて、目を閉じる。

気づけば、おでこに、相葉さんが貼ってくれたのであろう保冷シート。


……………ありがとう。


相葉さんのおかげで、多分熱もさがってる。
体も軽い気がするもの。

ま。でも、もう少し病人のフリしようかな。
熱のせいってことにして。
……………もう少し甘えさせて。



そうだ。中華粥作ってって、おねだりしてみよう。
ささみと卵のやつ。



「……………ん……………にの?」


起き抜けの色っぽい声に、振り向いた。


とりあえずは、おはようのキスからね。



「……………おはよ。相葉さん」



         
             fin.



       









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