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キラキラ

第15章 1000回言って


相葉さんが戸惑ってるのが分かる。



だって、俺、風呂に入らないままコトにおよぶことを嫌うからね。

相葉さんって、俺の体をあちこち舐めまわすから、体から変な匂いしてたら恥ずかしいもん…。




もちろん、そんな理由で嫌がってるってことは、打ち明けたことはなかったけど、この一点を譲ったことは、今までなかった。


どんなに盛り上がっても、シャワーだけはしてた。




まあ…………一緒に入った風呂場でそのまましちゃう流れはあったけど。

過去に、何回か我を忘れた相葉さんに、風呂に入らないまま襲われかけたけど、そのたびに蹴って撃退してたっけ。
ひどい、にのちゃん………って泣かれたもんだよな。




……………だけど、今はそんな風呂に入る時間すら惜しくて。


自分でも信じられないけど、相葉さんと一分でも一秒でも早く繋がりたくて、仕方がない。


からだの奥が疼いて疼いて……………ツライ。




「……いや…いいの?」



「いいってば」



なおも確認するような相葉さんの言葉に被せるように、言い切った。



ニットの下からいれた指で、さわさわと相葉さんの素肌をなでる。


相葉さんの体は、俺と違ってものすごくしまってる。
お腹だって割れてるし。
背中だってかっこいい。
俺は、この固い筋肉を、触るのが好き。



すると、相葉さんは焦ったように俺の手をつかまえた。


「………待って」


大きな手のひらにつかまえられると、非力な俺は、もう手を動かせない。

俺は、不満そうに相葉さんを見上げた。


相葉さんは、俺が上向くのを待ってたかのようなタイミングでコツンとおでこを俺の額にぶつけてきた。



瞬間よみがえる記憶。



……………既視感。




「あ、やっぱり。おまえ、熱あるぞ」

「……………」




知ってるよ。
むこうのあんたにも指摘された。


ってか、なんで相葉さんはどこの世界でも俺の変化に敏感なのかね?




「ダメじゃん……………明日辛いよ」


でも、今の俺には関係ない。


「嫌だ」


「……………にの」


「大丈夫。……だから…お願い」



抱いて



最後まで言い切る前に、もう一度すごい力で相葉さんに抱きすくめられる。
一瞬息が止まるかと思った。


「その顔………やめて」


熱い息が首にかかった。

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