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キラキラ

第37章 寵愛一身


俺は楽しそうに笑う従兄弟さんを見つめた。


確かにいいオトコだ。
王子様みたいな容姿をしてる。
ほんとに、引く手あまたなんだろうな。

昨日、松本は、従兄弟さんをオトコもいける人みたいな言い方をした。

だから、俺に気を付けろ、って。

でもさぁ……それにしては予防線はりすぎじゃない?
そもそもお前なんか眼中にねーわ、と言われてしまったら、俺恥ずかしいだけじゃん……。

こっそりそんなことを思ってたら、膝がふいに重くなった。


「………潤くん…?」


松本が、ずるずると俺から滑り落ちて、俺の膝に頭を置いたところだった。


「……限界」

「え。大丈夫ですか?!」


くったりした松本は、俺の膝に顔を埋めてる。


「……薬きれる頃やな。のんどくか」


ちょっと真顔になった従兄弟さんは、キッチンに入って行く。


「……大丈夫ですか」

「ん……」


松本が、もぞもぞ動いて、ぎゅっと俺の腰に手をまわした。


ちょうど俺の下腹に、松本の顔がきた。
彼の体温を感じる。


ちょっ……


他意はないだろうけど、焦ってしまう。

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