
キラキラ
第37章 寵愛一身
「……で。今日は持ってきてくれたわけや」
「はい……あの、これ」
コンビニのビニールに入ったコミックを、恐る恐る渡すと、従兄弟さんは、ふんと鼻をならして受け取り、中身をちらりとみた。
「こんなん学校行ってからでええのに」
「いえ、でもすごく楽しみにしてたみたいだから……」
言いながら、従兄弟さんを見上げる。
彼は今日は黒いサテン生地の、ホストみたいなシャツを着てる。
でも、恐ろしいほど綺麗な顔をしてる人だから、むしろ似合っていたりする。
男前………モデルみたいだ。
「ん。ほんじゃ、潤にわたしとくわ。ありがとうな」
ぼけっとしていたら、従兄弟さんは、さっさとそのまま家のなかに入っていこうとするから、俺はあわてて呼び止めた。
「あのっ……潤くん大丈夫ですか」
すると、足をとめた従兄弟さんは、くるりと振り返り、俺をじっと見た。
「なぁ……」
「……はい」
「自分さ、潤のなに?」
「え……」
「ただの後輩ちゃうやろ」
ドキリとした。
