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キラキラ

第37章 寵愛一身


次の日、松本は学校に来なかった。


昼休みに顔をあわせた相葉から、それを聞かされて、唖然とする。


「え……休み……ですか?」

「うん。担任は、出席とるときに、あいつサボりか?って呟いてたから、学校に連絡はないみたいだけど」


……すぐ帰ることはあっても、来ないってことはあんまり今までなかったけどな、と、相葉が首を捻る。


昨日からすっとメッセージを送ってるけど、既読もつかないし、連絡もないから、おかしいなとは思ってたけど。
学校にさえきたら会えると思ってた。

なのに、学校すら休みって……どういうこと?

弁当が入ったカバンをもつ手が……冷たい。


「二宮何も聞いてないの?」

「……はい」

「ふうん……変だね」


相葉は、手にしてるカレーパンをかじりながら、呟いた。


変どころじゃない。


俺はもう、いてもたってもいられなくなった。
松本に会いたい、と思った。




「相葉せんぱい……俺、気持ち悪い……」

「へっ?……ええっ?大丈夫?!」

「……いえ……もう、帰ります」



早退してやる。

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