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キラキラ

第37章 寵愛一身


ちらりと俺をみて笑った松本は、今日はそのままベンチに寝そべってる。

だから、しかたなく俺はその向かいに座って、パンをもそもそ食べながら、相葉の話を聞いていた。


なんだ……隣に座ろうと思ったのに……


相葉の好きな漫画の話にうんうんと頷きながらも、俺は上の空だった。


上田にあんなこと言われたから、余計に気になってしまう。


……だって。


そういえば前回キスしたのはいつだっけ?
あの松本の部屋で抱き合った日からしてなくない?

体育大会直後は、松本はみんなの前で頬にキスとかもしてきたけど、俺が恥ずかしがったからか、今はそれもない。

つまり、あの日以来、ほぼ触れられてない。
手も繋いでない。


……中学生でも、もう少しましな恋愛するよね?


どんどん後ろ向きな思考に陥る。


デートしてると思ってるのは俺だけ?
松本は、ただ遊びにいってるだけ?

そろそろ触れてくれてもいいのに。
そうでないと、俺……。


「……二宮?」

「あっ……はいっ!」

「どうした?ぼんやりして」

「いえ……!なんでも」

俺は手にしてたあんパンを口に押し込んだ。

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