キラキラ
第36章 バースト10
きちんと布団で横になってしまったせいか。
そこから本格的に寝てしまった年長者二人が起きてくることはなく。
途中、目を覚ました潤を交え、四人でカウントダウンして、俺たちは静かに新年を迎えた。
「なんかさー…こういうのいいね」
電気を消した室内。
それぞれの布団に潜り、薄暗い天井を見上げてると、相葉くんがしみじみと呟いた。
「大好きな人たちと、カウントダウンできる日がくるなんて、思ってなかった」
「そだね…」
ぼんやりとしたかずの相槌。
半分寝かかってる声だ。
「……ずっと、このままでいたいな」
潤が、ぽつりと言葉にするのを、俺はそうだな、とうなずく。
好きな人と同じ時を過ごせる幸せ。
この幸せがずっと続けばいい。
大人になってない俺たちは、この先の未来はまだまだ未知の世界だけど。
その世界に、この面子が常に傍にいたらいいのにな…と思う。
俺は手探りで潤の布団に手を突っ込み、潤と手を繋いだ。
とてつもなくいとおしいこの温もりを大切にしていきたい。
指を絡めて、その華奢な手をぎゅっと握ると、小さく力がかえってきた。
俺は、ふっと笑って、瞳を閉じた。
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