
キラキラ
第36章 バースト10
「ふぃー食った食った」
部屋に戻ってくるなり、松岡さんはひいてある布団のうえに大の字になった。
俺たちも腹一杯だ。
各々の布団のうえに寝そべる。
ふかふかして気持ちいい。
蟹鍋、焼き蟹、刺身、はもちろん、煮物も茶碗蒸しも、最後の〆の雑炊にいたるまで、実に美味しい料理だった。
最後の最後まで綺麗に食べつくした松岡さんなんて、デザートのメロンまで、とても食べられないと、俺たちにまわしてくる始末。
そんななか、のんびりと、
「お菓子は別腹だろう。ジュースとポテチここに広げとくな」
智兄が、大きなクーラーバッグから、オレンジジュースやサイダーを取り出し、机に並べた。
さらに自分達もまだ飲むみたいで、ハイボールやチューハイの缶を並べる。
「昌宏さん、するめあるよ」
「いや…ちょっとしばらく休む」
「そぉ?」
酔っぱらって、若干舌足らずになってきた智兄が、チューハイの缶を手にとり、ぷしっと開けた。
「智…おまえまだ飲むの」
「飲むよ。夜はこれからじゃん」
「マジか…」
あきれたような松岡さんを横目に、智兄はクスクス笑って缶を傾けた。
そうだよ。実は、智兄はアルコール強いんだよ…。
俺は、苦笑いしてパンパンのお腹をさすった。
俺の横で、潤は幸せそうに目をつぶってる。
このまま寝そうだな…こいつ。
俺は、潤のやわらかな癖っ毛を、そっと撫でた。
