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キラキラ

第36章 バースト10


食事は、個室があつまった食事処のような場所に各部屋ごとに用意されていた。

それぞれのテーブルは襖で仕切られていて、完全なプライベート空間であるようだ。

風呂からでた俺たちは、食事の時間にあわせ空腹を抱えてワクワクして向かう。

こちらです、と従業員の女性に案内された入り口の障子を、すらっとあける。
とたん、その食事の豪華さに目を見張った。


「すげぇ!超うまそうじゃん!」


掘りごたつになってるテーブルの真ん中には、出汁の入った土鍋が火にかけられていて。
白菜などの、みずみずしい野菜と大量の蟹が大皿にもられてる。


松岡さんが、座布団に座りながら興奮したように笑った。
その向かいに、智兄が、のそっと座る。

智兄の横に、かずと相葉くん。
松岡さんの横に、俺と潤が座った。


それぞれの席には、つきだしの海の幸が上品に盛られてて、宴の準備は万全だった。

ビールください、と、スタッフに言ってる智兄。


「すごいね」

潤は目をキラキラさせてテーブルを見渡してる。


運ばれてきた大皿にのってる活き造りの魚が、動いてるのをみて、気持ち悪そうにしてるのは、かず。

……そういえば、かずは海鮮やナマモノが、得意じゃないはずだ。
やばいな、食えるものあるかな……?


一瞬心配になったが、智兄がのんびりと口を挟んだ。


「かずは、刺身のかわりにステーキがくるから」

「あ……ありがとう。智さん」


かずが嬉しそうに頷いた。



「鍋は食えるだろ?」

「うん」

「苦手なもの運ばれてきたら、相葉くんに食ってもらえ」

「そうする(笑)」


会話を聞きながら、ちゃんと、かずのことも考えて別メニューを用意してる智兄を、さすがだな、と思った。

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