無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

吸い寄せられるように、顔を傾けて、唇を重ねた。

柔らかなそれを、二、三度啄み、ゆっくり離れると、潤は頬を染めて、はにかんだ。


「なんか……大胆になっちゃうね」


外でイチャイチャすることを、恥ずかしいから、と、あんまり好まない潤が、こんな反応するなんて珍しい。


…………恐ろしく可愛い。


俺は、思わず繋いだ手に力をこめて、潤の体を引き寄せた。


「わ」


浮力で軽くなった体は簡単に俺の体に転がり込んでくる。
本当は足の間に座らせたかったが、さすがにそれは自制しようと、肩をぐっと抱いて、我慢した。

俺にもたれかかるようになった潤は、驚いて体を起こそうとしたけど、


「誰もみてねーわ」


そうささやいてやると、うん……と言って体の力をぬいた。
湯からでた潤の肩は冷たく、俺は風呂の湯をそっとかけてやる。

濡れた髪から体から香る潤の匂い。

その白い肌にキスしたい、思い切り愛したい……むくむくわいてきたその欲望を、理性を総動員して押さえ込んでいたら、頭にかずの声が響いた。


……他のお客さんきたよ


その声は、潤の頭にも届いたのか。
あわてて体を離した潤は、何事もなかったようにそっと離れて座った。

俺は、元気になりはじめた体をなんとかおさめようと苦笑しながら、深呼吸した。