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キラキラ

第36章 バースト10


「ファミリー向けなんだろうな。あの露天風呂に野郎が四人も入ったら、ちと近すぎるだろうよ」


松岡さんは、外を見た。
つられて、もう一度外を見る。

少し赤い頬のかずと、嬉しそうな相葉くん。
何をしゃべっているのだろう……時々2人でケラケラ笑ってる姿が、とても楽しそうだ。

潤がうらやましそうに、浴槽の縁に両手をついて、


「いいなぁ……俺も早く行きたい」


と、呟くから、笑ってしまう。

潤のことは大分知り尽くしてる自信はあるが、こうも子供っぽい面を見せられると、さらに可愛く思えてしょうがない。

俺らの前だと、限りなく素なのだろうなと思う。


「まぁまぁ。順番だからな」


言って、俺は、すくったお湯で顔を撫でた。


「あちーな。ま、俺らは上がるぞ。ゆっくりしてこい」


松岡さんは、ザバっと立ち上がり、出口に向かって歩き出す。
智兄も、あとに続いて立ち上がった。


「部屋に戻ってるからな」


言って、出口に向かって歩いてゆく。
二人とも男らしく、何もかくさず平然と。

なんだか、こっちがちょっと照れるから、あまり見ないように視線をそらすと、潤とバチッと目があった。

思ってることは一緒のようで、2人で肩をすくめた。

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