テキストサイズ

キラキラ

第36章 バースト10


「……おう、サンキュ」

「じゃあ、ここにおいとくね」


潤はニコリとし、先に浸かるよーっと、浴槽にペタペタ歩いていった。


俺は、ふう……と、誰にもわからないように息を吐く。
狙ったわけでもなんでもない、あいつの突然投下してくる色気に、俺は弱い。

瞳とか。うなじとか。
なんなら、声とか。

無邪気なのは時として罪だよなぁ……と本当に思う。

柄にもなくドキドキしてしまった心臓を落ちつかせて、そっと振り向けば、潤はかずと、笑いながら仲良く外を見てる。


「翔さん、早くしないとあいつら、暑い~ってあがっちゃいますよ」


潤がいた椅子の反対側で、電光石火の早さで頭から足の先まで洗ったらしい相葉くんが、髪の毛をオールバックに整えながら、笑って立ち上がった。


「そうだな……」


潤がおいていったシャンプーに手を伸ばし、俺もわしゃわしゃと髪を洗い始めた。
……潤の香りがして、なんだか嬉しい。




「露天風呂行こ。行きたい」


俺が浴槽につかったとたん、待ちかねたように潤が寄ってきた。

外を見れば、相葉くんとかずが2人でホッコリしてるのが分かった。
自分も行きたかっただろうけれど、なんとなく邪魔だと感じたのか。


「あの二人戻ってきたらにしろよ」


一緒に浸かってる松岡さんが、面白そうに、顎を撫でた。
隣で、智兄も、静かに微笑んでる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ