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キラキラ

第36章 バースト10


こぢんまりした宿だから、そんなに期待はしてなかったが、なかなか立派な風呂だった。

ガラス張りの向こうは、庭園があり、その横に小さな露天風呂もある。
三人~四人しか入れなさそうだが、それでも露天は露天だ。

通用口みたいな扉から中と外を行き来できるようだ。

早速浸かって楽しんでるのは、松岡さんと智兄。

2人で仲良く笑いながら、なにやら喋ってる。
タオルが頭にのってる松岡さんが、らしくて、笑える

見渡すと、潤と、かずは、洗い場で泡だらけになってた。

俺は潤の隣に、椅子を引き寄せて座り、シャワーコックをひねった。


「……ふう……」


熱い湯が気持ちいい。


思えば極寒のなか、俺と潤はチカラを行使してきたんだ。
芯まで冷えきっていたのを思いだし、俺は顔をあげて体に降りかかるシャワーの感触を楽しんだ。

じんわりと温まってゆく体。

しばらくぼんやりしてると、不意に腕をひかれ、目を開けたら至近距離に潤がいた。


「翔?俺のシャンプー使う?」


湯でしたたる髪の毛が、異常に色っぽくて、前髪の間からのぞく大きな瞳が異常に艶やかで、俺は思わず気持ちだけ後ずさった。

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