
キラキラ
第36章 バースト10
『ゆ』
と、書いた紺色の暖簾をくぐると、そこそこの大きさの脱衣場があった。
まだ少し早い時間ということもあり、他の客はいなくて、俺たちの貸切状態だ。
なんとなく、それぞれのカップルでばらけながら、かごに持ってきた下着やらタオルやらを放り込む。
ここでも、松岡さんは豪快にマッパになり、タオルを肩にかけて、のしのしと大浴場に入っていった。
智兄も、裸になり、前もかくさず、スタスタ歩いてゆく。
「…………」
着替え中のさっきはなんとも思わなかったけど、こうしてひさびさに、智兄の真っ裸を目の当たりにすると、えらく艶っぽくなっててびびる。
思えば一緒に風呂に入ってたのは小学生まで。
家で、パンイチで歩くような人ではないから、素っ裸を長いことみてない。
綺麗なラインの背中からお尻にかけては、真っ白。肩甲骨がえらく艶かしくみえた。
あの体を、松岡さんに愛されてるんだ……。
脳内に映像が生々しく浮かびそうになり、俺はあわてて首をふった。
ふと隣をみると、既に浴衣を脱いだ潤は下着に手をかけている。
ベッドインするときとは、ちがい、男らしくパッパッと脱いでいく様に、こちらが戸惑う。
みれば、かずも裸。
今だ浴衣をきてるのは、俺と相葉くんだけだった。
