
キラキラ
第36章 バースト10
だが、気にしてるのは俺だけなのか、みんな次々に服を脱いで浴衣に着替え始めた。
ちらりと松岡さんを見れば、豪快にパンイチになったと思ったら、バサッと浴衣を羽織った。
その帯の結び方といい、粋でカッコいい。
智兄も、もそもそ、その横で脱いでる。
……まぁ、智兄の裸なんか、弟の俺的にはどうでもいい。
ちらりと相葉くんたちをみたら、既にきっちりと浴衣に着替えたかずが、相葉くんの帯を結んであげていた。
相葉くんは、もともとちょっぴり不器用なのだろう。
浴衣の着こなしもいまいちな相葉くんの、襟をなおしてあげたり、新妻よろしくお世話をしてる。
ふーん……、と思って、俺の隣にいる潤をみたら、あいつはパンイチで浴衣の身頃を引っ張りながら、どっちが上だっけ?とか呟いてる。
肌まるだしで。
「……おい」
「?」
「ちょっとこっち向け」
……声が震えなかったことを、誰かほめてほしい。
素直に俺の方に体をむけた潤の浴衣を引っ張り、俺は手早く整えてやった。
「……左が上になるように着るんだよ」
「へぇ……。さすが翔」
ありがと、とにこりと笑い、帯をしめはじめた潤。
気づけば、私服なのは俺だけだ。
俺は、なんともいえない気持ちで、着替えた。
……こんなに悶々とすんの俺だけか?
俺がおかしいのか??
昔ながらの部屋番号のついた鍵をじゃらじゃらいわせて、松岡さんが
「おーい、いくぞー!」
と、叫んだ。
