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キラキラ

第36章 バースト10


俺は、嬉しそうに窓の外を見てる潤の左手にそっと触れた。

潤は、ハッとしたように俺を見て、同時にその手をひこうとしたから、強引に指を絡ませて、自分の方に引っ張った。

こんだけみんなイチャイチャしてるのなら、これくらいなんでもないだろう。

そんなつもりで、にっと笑って見せたら、赤い顔で咎めるような顔をする潤は、口パクで、『離して』と、言ってる。

大方、恥ずかしいからとかなんとか理由をつけるつもりなのだろうけど。

俺は、ふふっと微笑み、その手に力をこめた。

潤が困ったように眉を下げた。

俺は、口パクで、『大丈夫』と言ってやると、潤は、ますます困ったように笑って……力を抜いた。

俺は潤の細い指から感じる温もりに満足しながら、またちょっと俺の方に腕を寄せた。

潤は真っ赤な顔をして、外を見てる。

どうせ、誰も見てねぇし、見たところで、関係わかってるんだから問題ないだろ。

いってやりたかったけど、俺は黙ってた。

こういうとき、かずのテレパスって便利だなぁ、とうらやましく思った。

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