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キラキラ

第36章 バースト10


インターチェンジから、高速にのり、そのまま中央道に向かう。

渋滞も思っていたほどではないようで、松岡さんはご機嫌だ。

鼻唄をうたいながら時折、助手席の智兄と言葉をかわして、何やらくすくす笑ってる。

男六人がこんな狭い空間で、どうやって何時間も共に過ごすのかと興味があったが、意外とみんな、それぞれよろしくやってるようだ。

思った以上に広々してる車内は、お互い何をしてるのかわからないもので。

後ろのかずと相葉くんの二人も、最初こそ、楽しそうな話し声がしていたけど、出発して30分も過ぎたころから、途端に静かになった。

そっと振り返ると、外をぼんやりと眺めていたらしき相葉くんと目があう。

相葉くんは、ニコッとして、しーっと口の前に指をたてた。

かずが、相葉くんの肩に頭をのせてスウスウ寝ている。
相葉くんがいとおしそうにかずの頭を撫でた。

俺は、うんうんと、うなずいて静かに前を向いた。

受験生であるかずは、毎晩ずっと勉強してる。
まるで一年前の俺をみているようだ。

昨夜も遅くまで机に向かっていたのだろう。
この心地いい揺れと、相葉くんの隣というシチュエーションは、彼の眠りを引き出すのには充分だったのだろう。

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