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キラキラ

第35章 屋烏之愛


「……どうしてですか」


「わかるだろ。連中、俺たちと、あんまり仲はよろしくない」


「……?」


意味がわからないというように俺が首をかしげると、やりとりを見ていた翔が、まさかと思うけど……、と、口をはさんできた。


「……おまえ、俺らのこと知ってる?」


俺は、目の前の二人をじっとみた。
三年生で、この容姿と雰囲気で……記憶の引き出しを片っ端から検証するも、心当たりはなく、小さく首をふる。


「え」


智と翔は顔を見合わせた。


「マジで?」


そうして、弾かれたように笑い出した。


「そっかー(笑)一年には知られていないかー」

「翔くん。そんな……みんなに知られてても嫌だよ」

「え、でも俺はともかく、智くんは有名人だって確信はあったんだけど」

「なんで俺だけ?」


二人の会話をきいて、ひとつの可能性に気がついた。
四人を一瞬でびびらせる人で、松本たちと仲がよくなくて……有名人。


そこへ、


「誰?こいつ」


第三者の声に振り向けば、これまた見覚えのある王子のような容姿の男。
確か、上田が噛みついてた……


「潤のお気に入り」

「……ああ、なんか見たことある……昔、横山と上田が連れてたのお前だろ」


菊池。


頭の中で関係性が繋がった。


大野智
櫻井翔
菊池風磨


……三年の怖いお兄様たちだ。

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