
キラキラ
第35章 屋烏之愛
いつ誰が通るか分からないような場所で、究極の辱しめは、さすがにしないだろうとは思うが、ほぼ半裸のような上半身に、俺はさすがに顔がひきつった。
「すっべすべ。女みてー」
「舐めてみる?」
「やだよ。おまえやれよ」
好き勝手言ってるやつらを前に、なんとかこの場から逃げようともがくけれど、四人の力を跳ね返すには、無理がある。
そのうちに、
「キスマークつけたら、面白くね?」
は?!
一人の提案にやろうやろうと三人が盛り上がりはじめた。
冗談じゃねぇ……!!
俺は、全力で暴れたけど、またたくまに体のでかいやつに羽交い締めにされた。
「ちょっ……やめろ!」
「失礼しまーす」
一人の顔が近づいてくる。
まるで映画にでてくる吸血鬼のように。
おぞましい……!
「やだっ!!やめ……!」
…………!!!
ぞわりと舐められた直後、チクッと刺された痛みが首のあたりに走った。
ベロリと舐めあげられ、
「おー、ついたついた」
四人に見られてるのを感じる。
俺はぎゅっと目をつぶり、泣くのを我慢するのが精一杯だった。
体に力が入らない。
……どうしてこんな目にあわないと、いけねーんだよ……っ
そのとき。
「…………そこ、邪魔」
静かだけど凄みのある声が、その場に割って入った。
