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キラキラ

第35章 屋烏之愛


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自分の立場が明確になってからというもの、今まで以上に、松本との距離感を意識するようになってきた。

上田らみんなの前で、松本の横に座ることすらも恥ずかしくなってきて、ポーカーフェイスをつくるのに苦労する。


わかってる。
松本は今までと全く変わってない。
変わったのは俺だけだ。


松本に笑いかけられると嬉しくて、ドキドキする。
となりに座れ、と言われたら緊張する。
俺には分からない話をされると、ちょっと面白くない。


これが……所謂恋なのだろうか?
俺の恋愛の対象は女だけだと思ってたけど。

でも不思議なことに、嫌ではない。
松本が俺を好きだというのも、いつしか納得して受け入れていた。

松本は二人きりのときに、時々、俺の頬にキスをする。
………照れ臭いが、徐々にそれも慣れるのだろう。

今日も松本は俺を隣におく。
最近、一段とスキンシップが増えてきた気が……する。



そんなときに事件は起こった。

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