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キラキラ

第35章 屋烏之愛


「どーゆー意味……」

「そのままさ」


松本は、何を今さらというように微笑んでいる。

でも俺は、この状況についていけてない。


だって、そのままって……意味わかんねーよ……


俺は、懸命に頭を整理した。


可愛かったから。


……って言ったよな?
でも、それだけでこんなことする?
確かに、年齢のわりには可愛らしいとはたまに言われるけど。

ついてるもんはちゃんとついてるよ。
俺、オトコだよ……?


悶々と無限ループに陥ってると、黙ってた松本が、にっと笑った。


「……最初にかずは俺のものだって言っただろ」

「………?」

「まぁ……言い方かえると、一目惚れっての?」

「ひっ……」


一目惚れ???


俺は、ぽかんと口をあけた。


やっぱそうか!
おかしいと思ったんだ。
俺のものっていうから、奴隷みたいなモノ扱いされるのかと思ってたら、終始、彼女みたいな扱いなんだもん……!


「まだわかんない?もう一度キスしてやろうか?」

「や……いいです」


俺は、慌てて首をふって気持ちだけあとずさった。

言えない。
さっきのがファーストキスだなんて。


免疫ゼロの俺には、刺激が強すぎる……。

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