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キラキラ

第35章 屋烏之愛


俺、おかしい……絶対。


ドラムロール並みにドキドキして壊れそうな胸。
松本に聞こえるんじゃないか、と本気で心配するくらいだ。

息がうまく吸えない。

松本は俺の前に立ち、肩に手をおいて満足そうに似合う、と、頷いてる。

至近距離で見上げる松本は、穏やかに微笑んでいて。

その大きな手のひらが俺の頬に触れる。
とたん心臓がドクンとはねて、からだが硬直した。


待って、待って……


松本の親指が、俺の唇に触れる。
俺を見つめる大きな瞳に吸い込まれそうで、俺は思わず息をとめてた。

これさ、このシチュエーションはさ、恋人同士のいい雰囲気の時のものだろ?
おかしくない?


心臓がなりすぎて、頭が痛い。



「カズ」

「……はっ……はぃ」



松本が、低く囁いた。
俺は、思わずひっくり返ったような声が出た。
そして、


「……キスしたい」

「はっ……え?!」


続けられた言葉に、今度こそ目を剥くと、


頬に添えられた指が俺の後頭部にまわり、ぐっと引き寄せられたかと思ったら、俺の唇に彼のものが重なった。

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