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キラキラ

第35章 屋烏之愛


「……あ?」


潤と呼ばれたやつが、上田の声を聞いて眉をひそめ……もう一度俺をみた。
上田は、ギリギリと俺の腕をねじりあげながら、


「こいつだ。さっき、横山と相葉のタマ蹴りあげた一年」


無理矢理、俺を引っ張りその場に立たす。
あちこち痛いのに、馬鹿力で引っ張られ、顔が歪む。


「いって……!」

「うるせ。お前なめんなよ?え?」

「…………」


上田に顔を近づけられて、顔を背けた。
膝が痛くてうまく立てない。

思わず座り込みそうになった太ももを、後ろから追い付いた横山に蹴られた。


「座んな」

「……っ」


モロに入り、蹴られた箇所がジンジン痺れる。


くそーっ……いてーよー……


うつむいてじっと黙ってると、潤と呼ばれたやつが、立ち上がり、おもむろに俺の顎に指をかけて上向かせた。
そのままその端正な顔で、じっと見てくるから、なんだよ、とばかりににらみ返す。


助けてくれて感謝してたのに……こいつらの仲間かよ……


唇を噛んでると、潤はふっと目を細めた。


「……ほんとにおまえがあいつら蹴ったのか?」

「………………だったら、なんだってんだよ」

「……なんで」

「………ダチをカツアゲしてたから。むかついて」


すると、潤の眉がぴくりとあがった。

後ろにいた横山の顔が、やべっという表情になった。

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