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キラキラ

第35章 屋烏之愛


……まぁ、このあと、俺が呼び出しをくらうのは当然の流れといえば流れだ。


その日の昼休み、恐ろしく目つきの悪い金髪の二年が、色白面長の金髪と共に教室にやってきた。


突然あらわれた怖い上級生を前に、ざわつくクラス。
俺は教室の入り口を見たとたん、飲んでたオレンジジュースでむせそうになった。


つい一時間ほど前の出来事だぞ?
……早いな、マジで。


教室をじろじろみていた色白面長と、俺の目が合う。
面長は、目つきの悪い方に耳打ちした。
すると、そいつは俺をにらみつけ、


「おい。一番奥でジュース飲んでるそこのちっさいの、ちょっと顔かせ」


怒鳴ったわけではないのに、迫力のある通った声が響き渡り、教室はしんと静まり返った。

どうみても俺にロックオンしてる視線から、逃れる術はなく。
教室中の同情溢れる視線を背に、俺はしぶしぶ教室をでた。


面倒くせぇ……まじかよ


「ちょっとこい」


目つきの悪い方が俺の腕をとり、ぐいぐい引っ張って歩きだす。
後ろは面長がぴったりついてる。

俺は、家の近くの外科は、今日の診療時間はどうだったかな……と、考えながら、歩いた。

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