
キラキラ
第35章 屋烏之愛
面倒なことは嫌いだし。
俺は三年間、極力気配を消して、静かに学校生活を送ろうと心に決めた。
目立つことも好きじゃないし、まぁおとなしくしてりゃ問題はないだろうと踏んでいた。
……なのに、だ。
ある日、俺がトイレからでたら、廊下の端で、クラスメートが金髪二人に囲まれてるのを見つけてしまう。
……そしてよりによってそいつと目がバッチリあってしまい、助けて、と目配せされてしまう。
………まじか。
金髪のそいつらの校内履きのラインの色で、二年生だとわかる。
てことは、松本のグループのやつらだ。
程度悪ぃな……カツアゲ?
学校内で?
入学以来、上級生グループを怖いと思っていた気持ちが、急速に怒りに姿をかえる。
目があって、喧嘩をふっかけられるのもたまらないが、こういう弱いものをつるし上げていくようなやり方は、嫌いだ。
立場の弱い一年生なんかどうしたらいいんだ。
「……あの。二対一ってどうかと思いますけど」
「……あ?」
「なんだ、てめぇ」
気がついたら声をかけていて……金髪二人の鋭い目がこちらを向いた。
