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キラキラ

第35章 屋烏之愛



この春、中学を卒業した俺が、入学したのは、とある都内の私立高。
小学校から大学までエスカレーター式で進学できる男子校だ。

特段勉強に興味があるわけでもない俺は、入れればどこでもよかった。
強いてあげるなら、設備が古めかしいのは嫌だったから、私立校がいいなと思っていたくらいだ。

そして、興味ないわりには、俺は学校の成績自体は悪くなく、むしろ優等生で。
私立に行かせる財力は家にあったから、担任の教師にすすめられるままに、この学校を受験し、無事に合格した。


結果、親は喜んでるし、今の成績をキープできたら、大学まで約束されてるならば、悪くない選択だったなと、思った。


だが、入学早々、俺はこの学校を受験したことを後悔することになる。



……この学校には二つの大きなグループがあった。



ひとつは、三年の大野を筆頭とするグループ。
硬派で知られ、弱いものいじめは絶対にしないといわれてるが、身内に手を出されたら容赦ないとされてる。

もうひとつは、二年の松本をリーダーにするグループ。
こちらはチャラチャラしていて、目で相手を殺しそうな喧嘩上等オラオラ系。
目をつけられたらやばいとされ、ひたすらに静かにやりすごせと教えられた。


はっきりいって、入学したばっかの俺たち一年生にはどちらも怖い。

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