
キラキラ
第34章 バースト9
「翔がどうこうじゃないんだ……俺の気持ちの問題」
「うん」
「……あの……入学式から、ずっと告白されてるんでしょ?」
「……ああ」
「全部断ってるって……」
「当然だろ」
「でも……そのせいで翔は有名人だって聞いて……」
「……」
…………なんか既にもう分かってきた。
俺は、笑いそうになってきて、ぐっと顎に力をいれた。
かずの言ったとおりだ。
……拗ねてるだけだ。
俺がひそかにニヤニヤしてるのも知らず、潤はぽつりぽつりと気持ちを吐露する。
「ミスコンの……優勝した人からも告白されたんでしょ」
「まあな……」
「他にも……いっぱい」
「……よく知ってるな」
ちょっとからかいたくなってきて、俺は潤を抱き締める腕はそのままに、ペロッとうなじに舌を這わせた。
「……っ」
潤は、息をのみ体を固まらせる。
俺は知らんぷりして、それで?と促す。
「……嫌なんだ……」
「何が?」
「……翔に……好意をもつ人がたくさんいるのがヤダ」
早口で言った潤は、言ってしまった、というように、俺の肩に顔を埋めた。
俺は、不謹慎だが、ニヤニヤが止まらない。
くっそ可愛い理由に、どう応えてやろうか。
