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キラキラ

第34章 バースト9


「結論から言えば、俺はお前に出会った日から、お前しかみえてない」


潤の目をしっかりと見て、俺は断言した。


「…………」

「お前以外の誰かと付き合ったこともない。まして、告白を受け入れたこともない」

「…………うん」

「山下先輩と一緒にいた女子学生の言ったことは、都合のいい嘘だ」

「…………うん」

「…………信じてもらえるか?」


ためらいがちに確認すると、潤は俺をじっと見上げて、こく、とうなずいた。

でも、その瞳は揺れていて。表情は晴れなくて。

ああ、まだ何か言いたいこと抱えてやがるな、と
思った。

俺が顔を傾けると、潤は応じるように顎をあげて口づけを受け入れる。
俺は、そのまま唇を横にすべらせ、耳もとにキスをした。


俺の顔が見えない方が言いやすいかもしれない。


わざと抱き締めたまま、もう一度聞く。


「…………何が不安?」

「……なにも」

「嘘つけ。顔にかいてあるぞ」

「え?」

「言いたいこと言えよ。全部答えてやるから。隠し事なんかないから」

「…………」


ささやくと、潤は黙った。
それは、だんまりを決め込むというより、どうやって、俺に気持ちを伝えようかと考えてるようにみえた。

俺は辛抱強く待った。

潤は、俺の背中に這わせた指を握ったり、小さく息を吐いたり、鼻をすすったり、なんだかゴソゴソしていたが、やがて。


「…………あのね」


小さく言った。

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