
キラキラ
第34章 バースト9
Sho
答えを求めて、じっと見つめていると、潤の不安そうに揺れる瞳から、一筋の涙が、すっとおちたのを見た。
…………!
はっと我にかえった。
と、同時に、凄まじい怒りに占められ霞んでた視界が、霧が晴れるようにクリアになる。
…………なにしてんだ、俺は。
泣かせてどうする。
だいたい、責めたところで、あんなこと、潤が進んでするわけないことなんて、分かりきってるじゃないか……。
頭を冷やせ。
自分に言い聞かせた俺は、黙って、のしかかっている体勢から体をおこし、戸惑った顔をしている潤の腕をぐいっとひいて起き上がらせた。
ベッドに座り込んだ潤は、くっと口を引き結び、それ以上泣かないように我慢しているかにみえた。
俺は、深いため息をつき、首を振る。
「悪い……泣かせたかったわけじゃない」
すると、潤はうつむいて、かぶりを振り、か細い声でぽつりと言った。
「翔……俺はね……」
「うん……」
「……クラス代表だったんだ……」
「うん……」
「女装なんて……嫌だったけど。仕方なくだよ」
「……そうか」
「キス……は、ごめん。あれはあいつが……段取り忘れて……苦し紛れにやったって言ってた」
「潤」
「…………」
ふっとこちらを見上げた潤の頬に指を這わせ、そっと口づけた。
唇を離して、もう一度潤を見る。
微動だにせずそれを受け入れた潤は、静かに目を閉じた。
その閉じた瞼から、また一筋涙が落ちた。
