テキストサイズ

キラキラ

第34章 バースト9


「す……すげー!おまえ想像以上だぞ!!」


がくがくと肩を揺すられて、


「いっ……てーな!」


と、振り払った。


「え、前に言ってた血だらけメイクやめたんだ?」


でも、興奮した生田は、不機嫌な俺のことなんかまるで無視で、まわりの女子に問いかける。
すると、女子たちも、そーなの!と一緒に盛り上がった。


「血も最初こそ描こうかなって思ったんだけど。ない方が絶対いい!って思って。ね?松本、めちゃめちゃ綺麗でしょ?いーでしょ?」

「そりゃ、いいに決まってる。でかしたぞ!エンタメ面でも最高点だ、これ!優勝いただきだぜ!」


完全に俺を置いてきぼり状態で、みんな最高潮に盛り上がりはじめた。


周りにいる他の女子も俺を見て、わーわー言ってるし。
騒ぎをききつけて、やってきた男子なんか、絶句してる。


…………んだよ……


不安を通り越して、戸惑いがうまれた。
てっきり、会う人全員、腹を抱えて笑うものだと思っていたのに。


一人取り残されてる俺に、男子がおそるおそる話しかけてきた。



「え……おまえ、まじで松本?」


……なんで、そんなに怯えてんだ。


俺は、目力でつっこみながら、


「……………………そうだけど」


と、小さく答える。


「えー!まじで!!」


真ん丸の目で男子まで騒ぎはじめやがった。


うるせー!!



俺があまりにも機嫌の悪い顔をしてるもんだから、生田が気を使ったのか寄ってきて。
なだめるように俺の肩を抱いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ