
キラキラ
第34章 バースト9
隣の潤を見ると、さっきまでいたずらが成功したみたいな楽しそうな顔をしてたのに、俺が機嫌が悪くなったと思ったのか、戸惑う色になってる。
ああ……そうじゃないんだよ
お前の気を使わせたなら、こっちが謝らなきゃ。
「カッコ悪いとこ見せちまったから……自己嫌悪?」
言って、潤の肩を抱いた。
腰を抱いたら、いやらしく見えるかもだけど、男同士なら肩なら許容範囲だろ。
すると、潤はホッとしたような顔になり、ううん、と笑った。
「最後のは……嬉しかったよ。守ってくれて」
小さく呟いて、にっこり笑う潤が天使のようで、俺はもう少しでそのままキスするところだった。
気づいた潤が慌てて顔を背けて、我にかえったけど。
……あぶね。
潤が目で「こら」と、怒ってる。
さっきまで潤の肩を抱いてた手で、自分の頭をガシガシとかいた。
「……今晩、来れるか?」
「……うん」
「打ち上げとかあるだろ。遅くなってもいいから、一度家に帰ってから跳んでこい」
「……うん」
「……すげー抱きたい」
「…………しーっ!!バカっ」
潤が赤くなって、俺の背中をバシッと叩くのを、いてぇと笑ってやりすごす。
……まぁ、それだけじゃない。
本当は話をしたいから、なんだけど。
とりあえず、家に来させる約束ができただけでいい。
それから、しばらく二人で展示物なんかを見ながらぶらぶらし、やがて、潤がクラスの当番に戻る時間となった、
「もう帰るの?」
「おう」
「じゃあ……夜ね」
「ん。またな」
潤の後ろ姿を見送り、一人になった俺は考えた。
さて……どうするか。
かずと帰ろうと思ってたけど……
おそらく、かずは今は相葉くんとまわってるだろうし。
俺は考えた末、あのパーカー姿のかずを一人にしたくない気もして、先に帰る選択肢を捨て、かずから連絡あるまで待ってることにした。
案内図をみたら、講堂でいろいろなパフォーマンスやイベントをしてるようだ。
時間潰しにはちょうどいいだろう、と、俺は講堂に向かった。
