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キラキラ

第34章 バースト9


そして、案内されたお化け屋敷は……長蛇の列で。
受付らしき位置から、ずっと向こうまで人が連なっているのがみえた。


「……大盛況じゃん」


呟いて、潤はピュウっと口笛を吹いた。
俺は最後のあがきとばかりに、聞いてみた。


「…………これ並ぶのか?」

「うん。回転は早いはずだから大丈夫」


軽く受け流し、潤は、さぁさぁどうぞ、と俺に列に加わるように言った。
言われるままに、最後尾につき……そこで、はた、と気づく

周りはみんな二人組とか三人組だ。

潤は……作った側のクラスの人間だ……てことは。


「…なぁ…俺一人で入るのか?」

「……俺も一緒にって思ってたけど………どっちがいい?」

「……二人の方がいいな」

「よかった。せっかくだから翔の反応がみたいもん」

「…………」


反応って。


そんな飛び上がるような驚きかたなんかしねーし。
びびってなんかもいねーし。
潤の前でそんなカッコ悪い姿なんか見せるわけ……







「……大丈夫?翔」

「……悪趣味だぞ、最後のは」


仏頂面で歩く俺に、潤が笑いをこらえてすり寄ってきた。


「あれあのお化け屋敷の、目玉なんだよ。ちなみに、あの井戸の後ろの壁、塗ったの俺」

「んなの見る余裕あるか」


吐き捨てた俺に、潤が我慢できないというように、ぷくくっと笑った。

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