
キラキラ
第34章 バースト9
懺悔に染まりそうな気持ちを押し殺し、今は、とにかく普通でいようと奥歯を噛み締めた。
「……何か見たいものとか、気になるところあった?」
潤が、俺の手にしてる案内図をのぞきこんできた。
「そーだなぁ……俺は、お前といれたらそれでいいんだけど……」
と、呟いたら、潤は、そーゆーのは、今はなし、って小声でぶったぎってきた。
そのむくれた顔が可愛らしくて、俺は、ははっと笑い、案内図に目をおとす。
相葉くんとこは、かずが行ってるから、もういいだろうしなぁ……。
「……おまえのクラスは?何してるんだっけ?」
「お化け屋敷」
「…………ふーん」
「行く?」
「いや」
「なんで即答?(笑)」
潤がくすくす笑った。
俺は、まずいことを聞いたとばかりに、首を振る。
「……やめとく」
「えーなんで?」
「なんでも」
「わかった!怖いんだ」
「……怖くねーし」
「じゃあ、いーじゃん」
「…………」
「怖いの?」
「いや」
「じゃあ……来て?案内するね」
「…………」
にっこり笑う潤が、校舎の階段を登り始めた。
「いや……ちょっと……」
それ以上は、どうにも言えずに、俺は潤のあとについて階段を登る。
お化け屋敷が……と、いうより、驚かされることがあまり好きじゃないんだよ……。
だけど、楽しげに微笑む潤を見てると、嫌だと、言えなくて。
俺は複雑な思いで潤を追いかけた。
