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キラキラ

第34章 バースト9


かずは、そうだ、と振り返る。


「この案内図、もう一枚もらってくるね」

「なんで?」

「持って帰る用」

「……マメだな」


大真面目に言うかずにつっこむと、かずは、へへっと笑って、元気な生徒のいる受付に小走りで走っていく。
相葉くんの学校にいるのが楽しくて嬉しくてしょうがないんだろうなぁ。


…………?


そのとき、ふと違和感を感じて、何気なく周りに目を走らせた。

すると、少し離れたところに立ってる茶髪の学生が二人、かずをみて何か喋ってるのに気づく。
やんちゃそうな……いかついやつらだ。



え……早速、かずのやつ妙なやつに目をつけられたか?
……やっぱ、あの鎖骨みえそうなパーカーは、まずかったかな??


当の本人であるかずは、もらった案内図に目を落としながら、戻ってきてるところで、茶髪の二人には気がついてないようだ。
その二人が、あろうことかゆっくりかずの方に近づいていった。


ケンカ……のわけないな。
ナンパか?


俺は、様子をうかがいながら、早足でかずに歩みより、その細い腕をひいた。


「?なに……?」


かずが、びっくりした顔で俺を見上げる。


「あの……」


同時に茶髪が話しかけてきた。



……なんか用か


そう返そうとしたら、俺の傍らのかずが、


「あれ……?」


と、驚いた声を出した。


「二宮さん!お久しぶりっす!」


茶髪の二人は、かずに頭を下げた。

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