
キラキラ
第34章 バースト9
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「かず、用意できたか?」
潤と相葉くんの高校の文化祭当日。
出発時間五分前になっても、まだ部屋から出てこないかずが気になり、部屋をノックした。
すると、はーい、という返事とともに、困ったような顔をしたかずがでてきた。
「……なに。どうした?」
そのなんともいえない顔に、お腹でも痛いんだろうか?、と心配して聞くと、かずは両手を広げて、
「……派手?」
と、聞いてきた。
「……?……いいや?」
真っ白なざっくりしたパーカーに、ベージュのハーフパンツ。
指先しかでてないところが、かずらしくて可愛い。
いつものかずだ。
……派手でもなんでもない。何もおかしいとこなんてないけれど?
俺が、きょとんとしてると、かずが難しい顔でパーカーのすそを引っ張った。
「……なんかね、相葉くんが地味な服で来てねっていうんだ」
「……なんで?」
「……………あの………声かけられたら困るから、だって。そんなことないのにね」
「…………」
思わず、あまりの微笑ましさに笑ってしまった。
恋人を大事に思う気持ちは、みんな共通なんだ、と思う。
どん、と、構えてるイメージの相葉くんだけど、やっぱりかずのこととなると違うんだな、と妙におかしかった。
「……派手?」
「地味でもないし。派手でもない。かずらしいぞ」
「そう?」
「それに、なんかあっても、俺がいるだろ。ちょっかいかけてくるようなやついたら、追い払ってやるよ」
「……えへ。翔さん一緒なら大丈夫か……」
言いながら部屋をでてきたかずは、嬉しそうにおまたせ、といった。
若干、襟ぐりがあきすぎてる気もしたが、まぁ、よしとしよう。
行こうか、と、二人で玄関にむかった。
