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キラキラ

第34章 バースト9


ひときわ、周りの人の目をひいてる二人組。


ネジみたいなものを耳につけて、顔色を悪くみせるような色を顔に塗って、ジャケット着て……あれは、きっとフランケンシュタイン。

そうかと思えば片方は、茶色のローブを身にまとい、お手製の赤く光る剣を持ってる。
顔は真っ黒の仮面をつけてるから、きっと宇宙戦争の登場人物だ。

フランケンシュタインの首から下げてる札には、映画研究会の文字。
宇宙戦争の人の札には、映画見に来てね!の
文字と場所。

盛大に声を張り上げるわけでもなく、ただただ無言で歩いてるだけなのに、非日常な格好をしてるせいでインパクトは絶大で。


仮装って……やっぱすげえ目立つじゃん。


生田の言葉と、クラスのやつらの期待のこもった視線を思い出して、ちょっとテンションさがっていると、


「さすが大学……やっぱクオリティーひとつとってもなんか違うね」


雅紀が、へぇーと感心したようにつぶやき、そういえば、と俺を見た。


「来週の文化祭のクラス対抗のテーマ知ってる?」

「ん?ああ……」

「仮装なんて面白いことやるよね。うちのクラスはゆるキャラの着ぐるみを女子が作ってた」


あー、グランプリとりたいなぁっと雅紀は笑う。


……雅紀が、やるのか?
まさかな。

俺は、興味ないような雰囲気をだしながら、聞いてみる。


「その着ぐるみ……誰やんの?」

「それ着て踊るらしいから、ダンス好きなやつが立候補してた」

「ふーん……」

「潤のクラスは?」

「…………知らね」


……そうさ。
俺は知らない。
知るものか。

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