テキストサイズ

キラキラ

第34章 バースト9


それらのリアルさに圧倒されながら、内心感心してると、女子は、最初の血みどろドレスと切り裂きジャックを手にして、にこっと笑った。


「これとこれはフリーサイズで同じだからさ、生田と松本どっちがどっちでもいけるからね」

「あっ……バカ!」


…………は?


ポロリともらした女子の言葉を、生田が慌てて遮った。
女子は、あ、しまった、というように口を押さえてる。


「バカヤロ。それは当日まで言うなっていったじゃんかよ」

「ごっ……ごめーん」


あわてふためく女子と生田の様子を見比べる。


……空耳か?
今、こいつら俺の名前を言った気がするが……。


俺は衣装を見て、女子を見て……生田を見た。
彼らの異様な愛想笑いに、変な第六感が働く。


……まさかとは思うけど。


俺の表情の変化に、生田は、あちゃ……という顔をおさめ……大真面目に頷いた。


「……松本。そーゆーことだから」

「は?どーゆーことだよ?」


すかさずつっこんだ。

だってそうだろう。
何がそーゆーことだ。

これ俺が着ろってのか?!


「どっちでも好きな方着てもらっていーぜ。どっちがいい?」

「いや……ちょっと待て。意味不明なんだけど」


一瞬で開き直った生田はにこやかに、どっちにする?とか言ってる。


意味わかんねー!


俺は、ぶるぶる首を振った。

すると生田は、にっと笑って、女子から服を受けとった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ